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●CALSの定義

1 CALSとは、部門間、企業間で、設計図等の技術情報や受発注等の取引情報を、特定の機器、システムの制約を受けることなく、情報をデジタル化したままやりとりできる、「ユーザー本位のデータ環境」の形成を目指すものである。

2 CALSは、開発・設計、調達から保守・運用までの各局面において、関連する全ての部門、企業が、情報を共有、活用することにより、あたかも一つの企業(仮想企業:Virtua1 Corporation)のように連携して、開発、調達のリードタイムの短縮、生産性の向上、さらには製品のライフサイクル全体を通じたコストの削減を図るための「新しい産業情報インフラ」である。

3 従来のような数値データのみならず、設計図、マニュアルなど画像や音声を含めたマルチメディア情報がやりとりできる「未来型産業情報システム」である。(「CALS米国情報ネットワークの脅威」石黒憲彦 日本工業新聞社発行より)

 

●CALSを構成するもの

1 情報の入力、交換のための標準である。具体的には、ドキュメント、図形、製品モデルデータ、音声、動画像等のデータ形式、定義付け、記述方法や交換するためのデータの組立規則、伝送順序等の規格、標準であり、それらが体系化されたものである。

2 情報交換、共有のためのルールである。具体的には、分散したデータベースの統合化、データベース仕様、セキュリティ、情報公開の限度、情報交換の際の認証、データの承認等のルールであり、これらが体系化されたものである。

3 関連ソフトウエアである。通常使っているワープロの入力方式を自動的にSGMLといった標準形式に変換する交換ソフトウエアなどである。

(「CALS米国情報ネットワークの脅威」石黒憲彦 日本工業新聞社発行より)

 

 

 

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